1.「一般貨物自動車運送事業」とは?

他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のものと定義されています。
運送業は、「一般貨物自動車運送事業」、「特定貨物自動車運送事業」、「貨物軽自動車運送事業」の3種類に区分されています。

☑許可申請から運輸開始までの流れ

営業所を設ける運輸支局へ許可申請

法令試験の受験(役員が受験)

管轄運輸局での審査

許可処分

運輸支局で交付式、講習会

登録免許税の納付(12万円)

運行管理者及び整備管理者の選任届の提出

社会保険関係の加入

運輸開始前の確認書

事業用自動車等連絡書の発行後、車両の登録

運輸開始届の提出(許可日から1年以内)

運賃料金設定届の提出

運輸開始から3~6か月程でトラック協会適正化の巡回指導

☑許可までの審査期間は?
許可申請が受付された後、申請者に法令試験の受講が義務付けられています。
年6回奇数月に法令試験は実施されており、許可申請が受付された後、2回以内に合格しない場合は申請を取り下げなくてはなりません。
審査は法令試験合格後から始まりますので、許可処分が行われるまで約3か月程度かかります。

☑許可に必要な要件
①人的要件
◎申請者や会社の役員が欠落要件に該当しないこと
◎当常勤役員が法令試験に合格すること
◎営業所ごとに「運行管理者」「整備管理者」を定められた人数配置すること
◎運転者を5名以上確保すること

②物的要件
◎適法に設置された、適切な規模の営業所があること
営業所は自己所有、賃貸のどちらでも構いませんが、使用権原や法令に違反していないことが必要となります。
農地法、都市計画法、建築基準法に違反している土地建物も営業所として使用することができません。
土地の地目が田、畑であるような場合は、地目の変更(農地転用許可)が必要となります。
都市計画法上、営業所としての使用が制限された用途地域にある物件なども営業所にすることができません。
営業所の面積については、特に決まりはありませんので、一般的な事務作業ができる広さを確保できれば問題ありません。
◎休憩、睡眠施設があること
原則として、休憩、睡眠施設は営業所または車庫に併設しなければなりません。
営業所に併設する場合は、事務スペースと休憩、睡眠スペースを分ける必要があり、同室の場合はパーテーションなどで仕切れば十分です。
乗務員に睡眠を与える必要がある場合は、1人あたり2.5㎡以上の広さが必要です。
◎営業所に併設または一定の距離内に全車両が収容できる車庫があること
車庫が営業所に併設していない場合は、直線距離10km以内に設けることが必要です。
車両前後左右50cm以上確保して、全車両が収まる面積が必要です。
車庫の出入口の前面道路の幅が、6.5m以上あることが必要です。(道路幅員証明を取得)
営業所と同じく、農地法、都市計画法等に違反していないことが必要です。
◎事業用自動車が5台以上あること

③財産的要件
◎事業開始に要する資金の見積り
◎所要資金の常時確保
◎損害賠償能力

☑弊所のサポート内容は?
◎許可要件の調査
◎許可申請に必要な各種証明書の取得、収集
◎申請書類の作成
◎申請書類の提出
◎許可書の受領
◎登録免許税領収証書届出書の作成、提出
◎運行管理者、整備管理者選任届の作成、提出
◎一般貨物自動車運送事業の運輸開始前届の作成、提出
◎一般貨物自動車運送事業の運輸開始届の作成、提出
◎自動車運送事業用自動車等連絡書の受取
◎運賃料金設定届の作成、提出

2.「貨物軽自動車運送事業」とは?

運送業の種類の1つであり、他人(荷主)の需要に応じて、有償で自動車(三輪以上の軽自動車、二輪車)を使用して荷物を運送する事業のことです。
貨物軽自動車運送事業の届出を提出し、黒ナンバーを取得する必要があります。(届出制)

☑事業開始に必要な要件
①営業所の要件
◎営業所が入る建物の使用権原を有していること。
②車庫の要件
◎計画している車両を全て収容できる。
◎原則、営業所に併設されている。(併設できない場合は、営業所から2kmを超えないこと。)
◎車庫が入る建物の使用権原を有していること。
◎車庫の立地が都市計画法などの関係法令に抵触していないこと。
車庫の設置が不可能な指定地域 ➡ 市街化調整区域、第一種・第ニ種低層住居専用地域、第一種・第ニ種中高層住居専用地域
◎規模が適切であること。(自宅でも可能)
③車両の要件
◎軽トラック、軽バン、軽自動車、125cc以上のバイク。
◎自動車の両側面に氏名または名称を掲示できる。

☑事業開始までの流れ

営業所、車庫を用意する

事業で使用する車両を用意する

申請準備(添付書類などの収集)

営業所を管轄する運輸支局へ運送事業経営届出書を提出する

運輸支局で事業用自動車等連絡書を受け取る

軽自動車検査協会へ必要書類を提出し、黒ナンバーを取得する

貨物軽自動車運送事業の開始

3.「貨物利用運送事業」とは?

荷主と運送契約を結び、自らは運送を行わずに運送事業者の運送を利用して行う事業で、第一種貨物利用運送事業第ニ種貨物利用運送事業に分けられます。

第一種貨物利用運送事業(登録制) ➡ 実際に運ぶ運送業者がトラック、船舶、航空などのうち、一種類のみを使用する事業形態のことを指します。(ほとんどがトラックです。)
◎第二種貨物利用運送事業(許可制) ➡ トラック以外にも船舶、航空、鉄道などの運送も複数組み合わせて、集荷、配送を行わせる事業形態のことを指します。

利用運送事業者は、荷主との間で運送契約(請負)を結び、さらに利用運送事業者は運送事業者との間で運送契約(請負)を結びます。
ご依頼のほとんどが第一種貨物利用運送事業の登録のため、ここにおいては第二種貨物利用運送事業の説明は割愛します。

☑登録に必要な要件(第一種貨物利用運送事業)
①営業所の要件
◎営業所が入る建物の使用権原を有していること。
◎都市計画法、農地法、建築基準法等の関係法令に適合していること。
営業所の設置が不可能な指定地域 ➡ 市街化調整区域、第一種低層住居専用地域、第ニ種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第ニ種中高層住居専用地域
②資金の要件
◎純資産額300万円以上の自己資金を有していること。

☑営業開始までの流れ(第一種貨物利用運送事業)

必要書類を作成、収集

営業所管轄の運輸支局に申請書類一式を提出

運輸支局による審査(2~3か月)

登録通知書を受け取る

登録免許税(9万円)を納める

運賃料金設定届出書を提出

営業開始

4.「役員法令試験」とは?

一般貨物自動車運送事業の許可を取得するためには、申請後に法令試験に合格する必要があります。
①受験する人

法人 ➡ 常勤の取締役
個人事業主 ➡ 申請者本人
②試験内容
以下13の関係法令から出題されます。
・貨物自動車運送事業法
・貨物自動車運送事業法施行規則
・貨物自動車運送事業輸送安全規則
・貨物自動車運送事業報告規則
・自動車事故報告規則
・道路運送法
・道路運送車両法
・道路交通法
・労働基準法
・自動車運転者の労働時間等の改善のための基準
・労働安全衛生法
・私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律
・下請代金支払遅延等防止法
③試験の日程、時間、会場
令和5年3月から年間の法令試験の実施予定日が公開されるようになりました。
詳しくはこちら ➡ 関東運輸局:法令試験の実施について
受験対象者に対して試験実施日の10日前を目途に、正式な試験実施日時及び場所等が記された「法令試験実施通知書」が送付されてくるようです。
またリンク先には、過去の試験問題、及び正答、受験者数、合格者数の情報が閲覧できるようになっており、本試験に向けて対策を立てることができるようになっております。
④試験内容と合格基準
・試験時間は50分
・問題数は30問
・合格ラインは、30問中24問以上の正解
・○×問題と語群の中から正しいものを選ぶ選択式
⑤試験の特徴
受験回数は2回までです。
2回とも不合格だった場合は、申請を取り下げて再度申請のやり直しとなります。
※弊所では、過去問と回答を整理した資料を作成、提供し、3時間程度の「役員法令試験対策セミナー」を実施しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。

5.「巡回指導」とは?「監査」とは?

「巡回指導」
国土交通省が指定する、地方貨物自動車運送適正化事業実施機関のトラック協会の適正化指導員が、運輸開始届出後1か月以降3か月以内に行います。また、その後も2年に一度程度実施されます。
基本的には、各運送事業者の営業所に行って、法令に基づいて事業を実施できているかのチェックを行います。
巡回指導の前には日程や必要書類などについて事業所へ通知が届き、当日準備すべき書類の指示があります。
「監査」
国土交通省の運輸局や運輸支局の監査担当が実施します。
重大な事故を起こした時、法令違反が疑われる通報があった時に行われます。
監査は巡回指導と異なり事前連絡がない場合がほとんどです。
また、巡回指導の結果が通知され、E判定だと適正化実施機関が運輸支局に通報し、監査となってしまう場合もあります。

☑巡回指導の38項目
①事業計画等(8項目)
◎主たる事務所及び営業所の名称、位置に変更はないか。
◎営業所に配置する事業用自動車の種別及び数に変更はないか。
◎自動車車庫の位置、収容能力は適正か。
◎乗務員の休憩・睡眠施設の位置、収容能力は適正か。
◎乗務員の休憩・睡眠施設の保守管理は適正か。
◎届出事項(役員、特定貨物に係る荷主名)に変更はないか。
◎自家用貨物自動車の違法な営業類似行為(白トラ)はないか。
◎名義貸し、事業の貸し渡し等はないか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎登記簿謄本等
◎経営許可申請書
◎役員変更届出書
◎事業計画変更認可申請書
◎事業計画変更事前届出書
◎事業計画変更事後届出書
◎総勘定元帳
◎固定資産台帳
◎経費明細書
◎リース契約書
◎保険関係加入台帳
◎現金出納帳

②帳票類の整備・報告等(5項目)
◎事故記録を適正に記録保存しているか。
◎自動車事故報告書を提出しているか。
◎運転者台帳が適正に記入され、保存されているか。
◎車両台帳が整備され、適正に記入されているか。
◎事業報告書及び事業実績報告書を提出しているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎事故記録簿
◎自動車事故報告書
◎運転者台帳
◎車両台帳
◎事業報告書、事業実績報告書

③運行管理等(13項目)
◎運行管理規程が定められているか。
◎運行管理者が選任され、届出されているか。
◎運行管理者に所定の講習を受講させているか。
◎事業計画に従い、必要な員数の運転者を確保しているか。
◎過労防止を配慮したは適正にされているか。
◎勤務時間、乗務時間を定め、これを基に乗務割が作成され、休憩時間、睡眠のための時間が適正に管理されているか。
◎過積載による運行を行っていないか。
◎点呼の実施及びその記録保存は適正にされているか。
◎乗務等の記録(運転日報)の作成、保存は適正にされているか。
◎運行記録計による記録及びその保存、活用は適正にされているか。
◎運行指示書の作成、指示、携行、保存は適正にされているか。
◎乗務員に対する輸送の安全確保に必要な指導監督を行っているか。
◎特定の運転者に対して特別な指導を行っているか。
◎特定の運転者に対して適性診断を受けさせているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎運行管理規程
◎運行管理者選任、解任届(控)
◎運行管理者資格者証
◎運行管理者研修手帳
◎運転日報、乗務記録
◎運行指示書
◎乗務基準(特別積み合わせ事業の場合)
◎運行計画及び勤務割当表
◎運行記録計による記録(タコグラフ)
◎乗務実績一覧表(拘束時間管理表)
◎点呼記録簿
◎ドライバーへの指導教育計画表、記録簿
◎適性診断受診結果表
◎運転記録証明書
◎無事故無違反証明書

④車両管理等(5項目)
◎整備管理規程が定められているか。
◎整備管理者が選任され、届出がされているか。
◎整備管理者に所定の研修を受けさせているか。
◎点検基準に基づき点検を適正に行っているか。
◎点検基準に基づき定期点検、整備が適正に行われているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎整備(車両)管理規程
◎整備管理者選任、解任届(控)
◎整備管理者資格者証
◎整備管理者研修手帳
◎日常点検基準
◎日常点検表
◎定期点検基準
◎定期点検整備実施計画表
◎定期点検整備記録簿(3,12か月)

⑤労働基準法等(4項目)
◎常時10人以上の労働者を使用する場合、就業規則が制定され届出がされているか。
◎36協定が締結され、届出がされているか。
◎労働時間、休日労働について違法性はないか。
◎所要の健康診断を実施し、その記録、保存が適正にされているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎就業規則
◎労働基準法36協定
◎出勤簿
◎健康診断結果表

⑥法定福利関係(2項目)
◎労働保険、雇用保険に加入しているか。
◎健康保険、厚生年金保険に加入しているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎労災、雇用保険加入台帳
◎健保、厚生年金加入台帳
◎賃金(給与)台帳

⑦運輸安全マネジメント(1項目)
◎運輸安全マネジメントの実施は適正にされているか。

※巡回指導時に確認される帳票類
◎運輸安全マネジメントに関する公表資料
以下200両以上所有している事業者のみ
◎安全管理規程
◎安全統括管理責任者選任届出書
◎安全管理規程設定届出書

☑監査は3種類

①特別監査
「トッカン」とも呼ばれ、重大な事故を引き起こしたケースや重大な法令違反が見つかったケースに行われます。

②一般監査
特別監査に該当しないケースで、街頭監査によって疑われた事業者に対して実施されます。

③街頭監査
事業者を指定して行うのではなく、街頭において行われる抜き打ちの監査のことです。この街頭監査時に疑いがあれば、一般監査に進展します。

☑監査を受けるケース
◎法令違反の疑いがあるケース
◎死亡事故を起こしたケース
◎ドライバーによる悪質な違反が判明、疑われるケース
◎事業改善報告などを拒否したケース
◎福利厚生が整備されていないケース
◎3年間で3回以上同じような事故を起こしたケース
◎安全への管理体制が整っていないケース
◎受委託者に違反があるケース

☑監査でチェックされる8項目
◎事業計画について
◎損害賠償責任保険の加入について
◎社会保険などの加入について
◎運賃、料金の収受について
◎賃金の支払いについて
◎運行管理の状況について
◎整備管理の状況について
◎自家用自動車の利用や名義貸し行為などについて

6.「事業報告書」「事業実績報告書」とは?

事業報告書
一般貨物自動車運送事業者、第一種貨物利用運送事業者は毎事業年度の経過後100日以内に、当該事業年度に係る事業報告書を、管轄の運輸支局へ提出する必要があります。
※必要書類
◎決算書類(確定申告書類)
◎従業員全員の人数と運転者の人数などがわかる書類
など

様式 ➡ 事業報告書

事業実績報告書
一般貨物自動車運送事業者、特定貨物自動車運送事業者、第一種貨物利用運送事業者は毎年4月1日から3月31日までの期間に係るものを、7月10日までに管轄の運輸支局へ提出する必要があります。
※必要書類
◎運転日報
◎事故記録簿
など
様式 ➡ 事業実績報告書

7.「Gマーク」とは?



全国貨物自動車運送適正化事業実施機関「公益社団法人全日本トラック協会」では、2003年7月から利用者がより安全性の高い事業者を選びやすくするための環境整備を図るため、事業者の安全性を正当に評価し、認定し、公表する「安全優良事業所」認定制度をスタートさせました。

☑申請受付期間
毎年7月の初旬から中旬にかけての約2週間、受付を行っています。
※申請の準備に時間がかかるため、大体1月ごろから準備をするのが理想です。

☑申請資格と要件
◎事業開始後(運輸開始後)3年を経過していること
◎配置する事業用自動車の数が5両以上であること
など
※申請は事業所単位で行います。

☑3テーマ30項目以上の厳しい評価基準
①安全性に対する法令の遵守状況
適正化指導員による事業所の巡回指導結果、運輸安全マネジメントの取組状況を評価
②事故や違反の状況
事故や行政処分の状況を評価
③安全性に対する取組の積極性
安全対策会議の実施、運転者への教育などの取組を評価

上記3つのテーマに、計30以上の評価項目が設けられています。
100点中80点以上の評価など全ての認定基準をクリアした事業所だけが「安全性優良事業所」として認定されます。
また、認定された後も2~4年ごとに更新審査があるため、認定事業所は安全性を維持し続ける必要があります。

☑申請から認定までの流れ

申請

地方実施機関(都道府県トラック協会)

申請書、挙証資料送付

全国実施機関(全日本トラック協会)

安全性評価委員会

認定・公表

☑認定によるインセンティブ
国土交通省
◎違反点数の消去
通常、3年となっている違反点数の付与期間について、違反点数付与後2年間違反点数の付与がない場合、当該違反点数が消去されます。
◎IT点呼の導入
対面点呼に代えて、国土交通大臣が定める設置型又は携帯型のカメラを有する機器による営業所間等での点呼が可能となります。
◎点呼の優遇
2地点間を定時で運行する形態の場合の他営業所における点呼、同一敷地内に所在するグループ企業間における点呼が承認されます。
◎安全性優良事業所表彰
安全性優良事業所のうち、連続して10年以上取得しているなど、さらに一定の高いレベルにある事業所が表彰されます。
◎基準緩和自動車の有効期間の延長
基準緩和自動車が適切に運行されている場合、継続緩和の申請について、緩和の期限が無期限に延長(通常4年間)されます。
◎特殊車両通行許可の有効期間の延長
特殊車両の通行許可について、一定の要件を満たす優良事業所の車両の場合、許可の有効期限が最長4年間まで延長(通常最長2年間)されます。
全日本トラック協会
◎助成の優遇
都道府県トラック協会の会員事業者に対する助成事業について、予算の範囲内で次の優遇措置が受けられます。
①ドライバー等安全教育訓練促進助成制度
特別研修への受講料助成金の増額(通常7割➡全額助成)
②安全装置等導入促進助成事業
IT機器を活用した遠隔地で行う点呼に使用する携帯型アルコール検知器への1台につき、2分の1、上限2万円の助成
③経営診断受診促進助成事業
・経営診断助成金の増額(通常8万円➡10万円)
・経営改善相談助成金の増額(通常2万円➡3万円)
④自動点呼機器導入促進助成事業
・導入台数上限の緩和(通常1事業者1台➡1事業者2台)
・助成額上限の増額(通常1台あたり上限10万円➡2台分で上限20万円)
損保会社等
損害保険会社及び交通共済の一部では、運送保険等において独自の保険料割引を適用しています。

8.「グリーン経営認証」とは?

グリーン経営認証は、公益財団交通エコロジー・モビリティ財団が認証機関となり、グリーン経営(環境負荷の少ない事業運営)推進マニュアルに基づいて一定のレベル以上の取組みを行っている事業者に対して、審査の上認証・登録を行うものです。

☑グリーン経営認証の狙い
グリーン経営推進マニュアルに基づく事業者の環境改善の努力を客観的に証明し公表することにより、取組み意欲の向上を図り、あわせて認証事業者に対する社会あるいは利用者の理解と協力を得て、運輸業界における環境負荷の低減につなげていくための制度です。

☑認証までの流れ

チェックリストで環境保全活動への取り組み状況を把握

評価結果に基づいて取り組みの改善策を検討

現状の取り組み状況の評価結果や検討した改善策を踏まえた行動計画を作成

申請書およびチェックリストの提出

実地調査

審査結果の判定

認証・登録

☑認証までにかかる期間
申請書およびチェックリストを提出してから約2か月かかります。
最初の申請書およびチェックリストの作成から、最後の認証を受けるまでには、約6か月かかります。

☑認証の維持
新規、更新に関わらず1年ごとに定期審査が行われ、認証基準を満たしていない場合、是正処置を怠ると登録の取り消しとなります。
期間満了の3か月前までに定期審査の通知がきます。

☑更新
有効期間は2年間で、登録を維持するには更新が必要です。
期間満了の4か月前までに更新の通知がきます。

☑認証取得のメリット
・燃費の向上が認定されると、国土交通省と公益財団交通エコロジー・モビリティ財団のホームページ上で事業所名を公表してもらえる。
・環境経営に積極的な企業として、社会的評価が高まり顧客や取引先に売り込める。
・燃費の向上、交通事故の減少、車両故障の減少、従業員の士気向上
・認証取得補助金、助成制度があるほか、取得事業者に対する低金利融資や保険料割引制度がある。
・環境保全に配慮し、特に優れた取り組みを行っている事業者表彰をする際に考慮される。

9.「働きやすい職場認証制度」とは?

令和2年8月、国土交通省において、自動車運送事業(トラック・バス・タクシー事業)の運転者不足に対応するための総合的取組みの一環として「働きやすい職場認証制度」を創設することが決定されました。
本制度は、職場環境改善に向けた各事業者の取組みを「見える化」 することで、求職者のイメージ刷新を図り、国土交通省、厚生労働省が連携して、求職者の運転者への就職を促進することを目的としたものです。
一般財団法人日本海事協会が、国土交通省の指定を受けた認証実施機関として、申請受付、審査、認証等の手続きを実施いたします。

☑対象事業者
自動車運送事業者(トラック事業者、バス事業者(乗合・貸切)、タクシー事業者)

☑審査要件
①法令遵守等
②労働時間・休日
③心身の健康
④安心・安定
⑤多様な人材の確保・育成
⑥自主性・先進性等
の6分野について、基本的な取組要件を満たせば、認証を取得可能。
※⑥は「二つ星」「三つ星」のみ。「一つ星」では参考点として点数化。
※「三つ星」においては、②、③、⑤について認証項目を追加。
「三つ星」においては、①~⑥の認証項目に加え、働きやすい職場実現のための方針、課題、目標、改善に向けた
行動計画、体制整備などの記載欄を設け、事業者の改善に向けたPDCAが適切に回っているかについても審査。

☑認証取得までの流れ

審査申込書類の提出

審査料の振込

審査

審査結果の連絡

登録料の振込

登録証書の受領

☑申請費用
「一つ星」「二つ星」
審査料: 50,000円(※)+3,000円×申請対象営業所数(本社除く)
※電子申請の場合、30,000円に割引。
電子申請による一つ星の継続申請の場合、15,000円に割引。
登録料: 60,000円+5,000円×申請対象営業所数(本社除く)
「三つ星」
審査料: 147,000円(※)+3,000円×申請対象営業所数(本社除く) +84,000円×2カ所目以降の対面審査対象営業所数
※電子申請の場合、127,000円に割引。
登録料: 60,000円+5,000円×申請対象営業所数(本社除く)

☑審査方法
認証取得までの審査は、原則、書面審査の方法で行われます。
認証取得後のチェック制度が設けられており、この認証取得後のチェックは対面審査で行われます。
対面審査は、全ての認証取得事業者が対象ではなく、認証団体側が一定の割合で抽出された事業者を対象に実施されます。

☑認証単位
認証の単位は、事業者単位となっています。
但し、複数の都道府県に事業所を有する事業者は、申請負担の軽減のため、申請者の選択により都道府県単位でも申請可能です。

☑有効期間
認証の有効期間は、原則2年間です。

☑認証結果等の活用
厚生労働省と連携し、ハローワークにおける求人票への認証マークの表示や、認証事業者と求職者のマッチング支援を実施。
求人エージェント等の認定推進機関の協力を得て、「求人サイトに認証事業者の特集ページの掲載」、「設備改修工事の料金割引」等も実施中。

10.「物流の2024年問題」とは?

2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足し、「モノが運べなくなる」可能性が懸念されており、このことを「物流の2024年問題」と言われています。

☑2024年問題による影響
国の「持続可能な物流の実現に向けた検討会」では、2024年問題に対して何も対策を行わなかった場合には、営業用トラックの輸送能力が2024年には14.2%さらに2030年には34.1%不足する可能性があると試算しています。

☑想定される問題
トラック事業者
・荷主や一般消費者のニーズに応えられなくなり、 今までどおりの輸送(例えば長距離輸送など) ができなくなる
・今までどおりの輸送を継続するためには さらにドライバーの増員が必要だが人材が確保できない
荷主
・必要な時に必要なものが届かないかもしれない
・輸送を断られる可能性がある
一般消費者
・当日、翌日配達の宅配サービスが受けられないかもしれない
・水産品、青果物など新鮮なものが手に入らなくなるかもしれない

☑解決に向けて
荷主とトラック事業者が連携
◎荷待ち時間、待機時間の削減
予約システムの導入
・出荷、受入れ体制の見直し
◎作業削減など労働環境の改善
・パレット化による手荷役作業の削減
・情報の共有化、DXによる業務効率化等
◎リードタイムの延長
・長距離輸送は中1日を空け、満載での効率的な輸送
荷主にお願いすること
◎「標準的な運賃」等の収受
・ドライバーの労働環境改善や働き方改革に取り組むための適正な運賃を収受
◎運送以外に発生する料金の収受
・燃料サーチャージや附帯作業料金、高速道路利用料など
消費者にお願いすること
◎再配達を減らす配慮
・再配達の削減への取り組みとして、確実に受け取れる日時・場所の指定、宅配ボックス・ロッカーの利用や置き配の推進
◎まとめ買い(まとめ注文)による運送回数の削減
・注文回数を減らすことによる配送の削減

リンクサイト

国土交通省 関東運輸局
国土交通省 関東運輸局 神奈川運輸支局
全日本トラック協会
一般社団法人 物流法務総合研究所(LLCA)


運送業における許認可取得、その後の申請、届出やコンプライアンス対応などには、専門的な知識が必要になるため、運送業を専門にしている行政書士に一貫して依頼するのが一般的であります。
ご自身で行うことは不可能ではありませんが、本業が疎かになったり、二度手間で余計な時間がかかったりと得策ではありません。
本業に専念するため、時間をお金で買うといった意識で、ここは専門にしている行政書士に丸投げしてしまうのが得策であると思います。
運送業における許認可取得、その後の申請、届出やコンプライアンス対応などを行政書士に任せたいとお考えになられているのであれば、運行管理者(貨物)資格を保有し、運送関連の様々なことを一貫してサポートできる弊所に是非お気軽にご連絡下さい。


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